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院長の漫画カルテ

余計なことからコツコツと。旧「勤務医開業つれづれ日記・3」です。

【感想】おっさん、かっこいいな!新元素発見!!理研マンガ「113 ~ニホニウム発見に挑み続けた研究者たち~」【ネタバレ漫画レビュー】

1980年代からずっと新元素を追いかけてきたおっさん、かっこいいな!

 

バカみたいに愚直な人が好きです。研究してきた経験者としては、とくに研究者はゆっくり頑張るってこと自体が才能だとおもいます。

 

113番元素ニホニウムを発見した理化学研究所の森田グループの業績を、理研が漫画化しました。PDFで無料で読むことができます。3/14 に2006年以後の後半部分の追加がありました。

 

マンガ「113 ~ニホニウム発見に挑み続けた研究者たち~」

http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/fun/113/comic2.pdf

 

日本が誇る科学を一般の方にも興味を持ってもらうのには広報活動が大事ですね。ますます科学は深遠な領域に入っていきますが、それを追い求めるのは人間の純粋な好奇心です。理系離れと言われていますが、このような漫画をとおして興味を持ってもらいたいものです。

 

 

 

 

www.riken.jp

 

 

ニホニウム | 理化学研究所

ニホニウム

理化学研究所仁科加速器研究センター超重元素研究グループの森田浩介グループディレクター(九州大学大学院理学研究院教授)を中心とする研究グループ(森田グループ)が発見した「113番元素」を国際機関が2015年12月に新元素であると認定しました。

そして、森田グループに発見者として新元素の命名権が与えられ、2016年11月、元素名が「nihonium(ニホニウム)」、元素記号が「Nh」に決まりました。欧米諸国以外の研究グループに命名権が与えられたのは初めてです。

元素周期表にアジアの国としては初めて、日本発の元素が加わりました。「元素周期表に日本発の名前を書き込む」という日本の科学者の夢が、ついに実現しました!

 

マンガ「113 ~ニホニウム発見に挑み続けた研究者たち~」

http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/fun/113/comic2.pdf

森田浩介グループディレクターの生い立ちからニホニウム発見、元素名命名に至るまでの道のりを紹介したマンガです。
今まで公開していたマンガ「113 ~新元素発見に至る20年の戦い~」に2006年以降の話を追加した新作です!(2017年3月14日)

 

PDF形式で無料で読むことができます。興味がある方はぜひ、とくに理系の人は読んでおいたほうがいいよ!

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森田先生の研究は1980年代から始まります。九州大学から東京大学、そして理研に移った森田先生はユニークなゾウリムシ型のGARISを完成させます。

 

 

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幾多の困難を乗り越えてようやく見えてきた113番新元素。しかし、欧米の強力なチームがライバルとして登場します。

 

 

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理論的には100日連続して照射して1回合成が起きるかどうかの低確率実験です。しかもその1回を正確にとらえなくてはどんどん時間だけが過ぎていきます。

 

ようやく新元素113番の実験を始めようとしたとき、ドイツGSIが実験を先にスタートさせます。他にロシアチームも115番の新元素を発見しその崩壊過程で113番元素を発見したと報告しますが、データは不十分でした。

 

森田チームがようやく新元素を初めて観測できたのがしたのが71日目。2回目の観測が92日目でした。

 

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これらのチームのデータは不十分で、まだどこにも新元素113番の命名権は認められませんでした。

 

後からわかることですが、575日間で3個の合成をすることができたのです。だから初回が71日目、2回目が92日目に合成できたのはある意味ラッキーだったのかもしれません。2回目以降300日以上合成が起きませんでした。

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 なんと新元素を審議するJWPメンバーがGARISを見学している時に、新元素合成の完璧なデータが出てきました。

 

 

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113元素がきれいにα崩壊を4回して、ドブニウムができたことから新元素合成の決定的なデータになりました。

 

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2016年元旦に新元素認定の記事が新聞各紙に載りました。欧米の研究チーム以外として初めての元素の命名権を取得し、ニホニウムと名付けられました。

 

 

 

そして科学はさらに先を目指しています。

www.nishina.riken.jp

 

 

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おっさん、かっこいいな!

(すみません、多分森田先生ですよね)

 

113番元素の次は119番、120番元素への挑戦がすでに始まっています。

 

超元素は寿命が極めて短いのですが、その先には量子力学的に寿命が長くなる「安定の島」原子核が出てくると予想されています。しかしそこは全く未知の領域で、宇宙がはじまってから一度もこの世に存在しなかったかもしれない元素です。

 

「安定の島」原子核はどうやってたどり着くか道筋すら全くわかっていない状況です。確実に言えるのは、従来の融合反応では到達不可能、ということだけです。これからも科学のチャレンジは続いていくことでしょう。

 

 

いやあ、やっぱり研究っていいですね!少しでも多くの人に理系の研究に関心を持ってもらえたら幸いです。